使いこなしガイド

■ブースト圧設定 STD仕様
1.0〜1.1s/cm²(14.2〜15.6psi)ブーストコントローラー使用
STEP UP仕様 1.6s/cm²(22.8psi)ブーストコントローラー使用

M7960はブースト1.6s/cm²(22.8psi)で400psオーバーの出力を出すことが可能なタービンです。ノーマルエンジンの場合、特にコンロッド強度に不安が有るため、最大330psを目安としてください。その際のブーストは1.0〜1.1s/cm²(14.2〜15.6psi)です。ブースト設定する際は、4・5速のギヤで行ってください。低いギヤで設定すると、高いギヤでは負荷が大きくなるため設定値以上のブーストがかかってしまいます。(設定した際、ピークブーストから回転が上がるにつれてブーストが下がる場合がありますが、異常ではありません。)
 
■アクチュエーター設定 STD仕様 必要なし
{出荷時設定圧0.9s/cm²(12.8psi)}
STEP UP仕様

基本的にアクチュエーターは販売時の状態から変更する必要はありませんが、高負荷時のブーストをより安定させるためなど、ブーストコントローラーの設定と併用して、アクチュエーターを調整することでよりブーストを安定させ、フィーリングを変えることが出来ます。アクチュエーターの調整は、ブーストコントローラーの補助として行うことをお薦めします。
 
■想定馬力 STD仕様
330PS
STEP UP仕様 400PS

カム含め、サクション、エキマニ、アウトレット、触媒、マフラーの選定は大きく性能に影響します。カム、エキマニ、アウトレットが純正の場合、ブースト1.0〜1.1s/cm²(14.2〜15.6psi):330psが、全て高効率な物を採用した場合、ブースト1.6s/cm²(22.8psi):400psが目安となります。
 
■ピストン
STD仕様
ノーマル
STEP UP仕様
鍛造ピストン

ノーマルピストンは強度に不安があるため、約330psが限界の目安となります。M7960を1.6s/cm²(22.8psi)で使用する場合、燃焼圧力も高くなり、ノーマルピストンのままでは、いわゆる"棚落ち"と呼ばれる状態になる可能性が有ります。高ブーストで使用する際は、ヘッドガスケットとあわせて鍛造ピストンに変更することをお薦めします。
 
■コンロッド
STD仕様
ノーマル
STEP UP仕様 H断面コンロッド
推奨:TOMEI H断面コンロッド

ノーマルコンロッドは高出力を出した場合、強度に不安があるため、約330psを目安に強化コンロッドへの変更をお薦めします。
 
■カムシャフト STD仕様 TOMEI PONCAM 相当
STEP UP仕様

ノーマルカムでは十分な排気圧力を得られず、大きくなったタービンを活かすことが出来ません。カムを変更することでより効率良くタービンを活かすことが可能になります。
 
■ヘッドガスケット
STD仕様
ノーマル
STEP UP仕様 強化タイプへ変更 
推奨:TOMEIメタルヘッドガスケット

ブーストを上げると燃焼圧力も高くなります。確実にシール性能を高める為に、高ブーストをかける際は面圧が高く安定した強化ヘッドガスケットに交換することをお薦めします。
 
■インジェクター容量
STD仕様 550cc
STEP UP仕様 650cc以上

目標馬力×5.9÷気筒数=1気筒あたりが必要とする毎分吐出量です。安定した霧化状態を確保するために、インジェクター容量の80〜90%位で使用するのが理想となります。
 
■燃料ポンプ容量
STD仕様 240L/h以上(燃圧3kg/cm²時) 
推奨:TOMEI 255L/h(燃圧3kg/cm²時)
STEP UP仕様

インジェクター容量×気筒数×0.06=必要とする毎時吐出量(フューエルポンプ容量)です。ポンプの追従性を考慮し、80〜90%位で使用出来るように選択してください。
 
■エアクリーナー STD仕様 高効率タイプ
STEP UP仕様

目標馬力に見合った容量のクリーナーを選択してください。
 
■エアフロ STD仕様
ノーマルエアフロもしくはエアフロレス
STEP UP仕様


 
■サクションパイプ
STD仕様
ノーマルもしくは純正交換タイプ
STEP UP仕様 ストレートタイプ

高ブーストをかけた場合、純正サクションでは変形等が起こる場合があります。これを交換することで吸入効率を良くすることが出来ます。但し、エアフロを活かした状態でストレートタイプを採用すると、アイドリングがラフになったり、エンジンストールしやすくなったりする可能性があります。
 
■インタークーラー STD仕様
純正交換タイプ以上の効率の良い物
STEP UP仕様
大容量高効率タイプ

タービンで加圧された空気は、圧縮されてエンジンへと送り込まれます。その際、圧縮された空気は熱を持ち膨張してしまいます。そうすると折角過給された空気密度も下がり、燃焼効率が悪くなり本来の性能が出せません。そこで、タービンとエンジンの間にインタークーラーを設け、圧縮された空気を通し、インタークーラーに走行風を当てることで熱を奪うシステムです。こうすることで、密度の高い圧縮空気をエンジンへ送り込むことが可能になり、燃焼効率が向上され本来の性能を得ることが可能になります。GENESISの場合、ノーマルインタークーラーの容量が極端に少ないため、ノーマルを使用する場合はセッティングの際、吸気温度に注意して実施してください。
 
■ブローオフバルブ
(リサキュレーションバルブ)
STD仕様
推奨:強化タイプ (大気解放不可)
STEP UP仕様

タービンにより過給された空気がスロットルを閉じることで行き場を失い、パイプ内にとどまることでタービンの回転を急激に止めようとする力が働き、タービンに大きな負担が掛かってしまいます。これを防ぐためにタービンとスロットルの間にブローオフバルブ設置し、行き場を失った空気をエアフロとタービンの間に循環させ、タービンを保護するのがブローオフバルブの役割です。ノーマルブローオフバルブを高過給圧で使用した場合、ある程度の過給がかかると僅かにリリーフしてしまうため、タービンの性能をフルに発揮出来ず、ピックアップが悪くなったり、最高出力が落ちてしまう場合があるので、強化タイプの使用をお薦めします。また、ブローオフバルブのリリーフを大気解放にした場合、タービンに対しては再循環した場合と同様の働きがありますが、エアフロメーターの誤作動の原因になります。必ず再循環させてください。
 
■エキゾーストマニホールド STD仕様
ノーマル
STEP UP仕様
大容量高効率タイプ

カムシャフトを交換して得た排気圧力を、より効率良くタービンホイールに当ててやるために、エキゾーストマニホールドを効率の良い物に交換します。これにより、大きい排気圧力をスムーズにタービンホイールに当てることが出来、更にブーストの立ち上がりが鋭くなります。
 
■タービンアウトレット STD仕様
ノーマル
STEP UP仕様
大容量高効率タイプ

ノーマルのアウトレットのままでは、効率良く排気ガスを抜ききることが出来ません。特に高回転、高ブーストでは排気が糞詰まってしまい、結果的に排気ガスがタービンを上手く流れることが出来ず、ブーストが安定しなくなります。そこで、アウトレットを大口径の物に交換することで送り込まれた排気ガスをしっかり抜くことが可能になり、ブーストが安定するだけでなく、スムースに排気が流れるので、タービンの効率が上がりブーストのピックアップが良くなります。
 
■フロントパイプ STD仕様
推奨:パイプ径φ76.3相当
STEP UP仕様

アウトレット同様、排気の流れをスムーズにすることで、中間域のピックアップ、高回転の伸び共に良くなります。
 
■触媒 STD仕様
推奨:メタル触媒
STEP UP仕様

浄化能力を確保したメタル触媒に交換することで、排気抵抗を低減させることが出来ます。
 
■マフラー STD仕様
推奨:メインパイプ径 φ80〜90相当
STEP UP仕様

アウトレット同様、排気の流れをスムーズにすることで、中間域のピックアップ、高回転の伸び共に良くなります。
 
■コンピューター STD仕様
要現車合わせ 
推奨:Haltech PLATINUM SPORT 2000
STEP UP仕様

お車の状況に合わせて、必ずコンピューターのリセッティングを行ってください。
 
■プラグ STD仕様
要交換 推奨:8〜9番相当
STEP UP仕様

出力が上がった場合、それに伴い燃焼温度が高くなります。純正の熱価のままでは、プラグが溶けてしまうなどのトラブルにつながります。プラグの焼け具合によって判断する必要が有りますが、8〜9番相当のプラグに交換することをお薦めします。
 


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